見得切り政治のあとに
野田 正彰みすず書房
みすず書房
¥ 2,730
通常24時間以内に発送
これまでのコラム集「背後にある思考」、「なぜ怒らないのか」に続き、
信濃毎日新聞に掲載された野田氏のコラム集です。
例えば、本書のタイトルにもなっている政治については、歌舞伎役者のように
「見得」を切ることにのみ長けた首相や知事などが、私達の生活を変えてしまったが、
例えば、医療制度改革の基本方針には「安心・信頼の医療の確保と予防の重視」
とあるが、何故「医療費抑制と患者自己負担をめざして」と敏感に感じ取らないのか、
と私達に問いかけます。
つまりは、安全は政府行政が目標としてもよいが、安心は上から保証されたり
要求されたりするものではないのだと私達は知るべきではないのか、そこを鋭く
私達に突きつけてきます。
あとがきにもあるように、「その地、その問題に身をおき、あるいはそこに生きて
いるとして考え、誤っていたとき、はっきりと誤っていたと自覚できるような文章を」
書くように心がけたというそのコラムは、実際にその場所を訪れて相手と対峙して
著されているものが多く、私達が今どんなことが世の中で起きていて、何が大切な
ポイントかを考える際の総合的な思考を養う糧となると思います。
特に教育、戦争責任、医療、政治、マスコミを中心に深い洞察を元に厳しく追及する
コラムを、著者がアジアを中心に旅をする途中の風景を読み込んだ文章などが
時折それを和らげるかのように収録されています。
信濃毎日新聞に掲載された野田氏のコラム集です。
例えば、本書のタイトルにもなっている政治については、歌舞伎役者のように
「見得」を切ることにのみ長けた首相や知事などが、私達の生活を変えてしまったが、
例えば、医療制度改革の基本方針には「安心・信頼の医療の確保と予防の重視」
とあるが、何故「医療費抑制と患者自己負担をめざして」と敏感に感じ取らないのか、
と私達に問いかけます。
つまりは、安全は政府行政が目標としてもよいが、安心は上から保証されたり
要求されたりするものではないのだと私達は知るべきではないのか、そこを鋭く
私達に突きつけてきます。
あとがきにもあるように、「その地、その問題に身をおき、あるいはそこに生きて
いるとして考え、誤っていたとき、はっきりと誤っていたと自覚できるような文章を」
書くように心がけたというそのコラムは、実際にその場所を訪れて相手と対峙して
著されているものが多く、私達が今どんなことが世の中で起きていて、何が大切な
ポイントかを考える際の総合的な思考を養う糧となると思います。
特に教育、戦争責任、医療、政治、マスコミを中心に深い洞察を元に厳しく追及する
コラムを、著者がアジアを中心に旅をする途中の風景を読み込んだ文章などが
時折それを和らげるかのように収録されています。
なぜ怒らないのか
野田 正彰みすず書房
みすず書房
¥ 2,520
通常24時間以内に発送
前作の「背後にある思考」に続き、新聞に掲載されたコラム集です。ただし、
単なる掲載のノルマに押されたコラムとは異なり、時事の話題を中心に教育と
医療、全体主義、グローバルな視点からの日本の位置づけなどに関しては
広い視点から非常に深い洞察がされていて、読み応えが十分にあります。
特にこれらのコラムで学ぶべきは新聞などマスコミの報道(情報)を鵜呑みに
せず、一旦自分の中にためて即断しない姿勢だと思います。前作の表題でも
ある情報の発信者側の背後にある思考を十分に推測して、何故この
タイミングでこの情報はどのような意図で発信されているのか、を問い
続けることが私たちには求められていると思います。
溢れ続ける情報の海の中を、即答が求められる世の中で私たちは立ち止まるべき
情報については十分に考察した後に判断するために、そうでないものを
かぎ分ける能力についても備える必要に迫られているのかもしれません。
単なる掲載のノルマに押されたコラムとは異なり、時事の話題を中心に教育と
医療、全体主義、グローバルな視点からの日本の位置づけなどに関しては
広い視点から非常に深い洞察がされていて、読み応えが十分にあります。
特にこれらのコラムで学ぶべきは新聞などマスコミの報道(情報)を鵜呑みに
せず、一旦自分の中にためて即断しない姿勢だと思います。前作の表題でも
ある情報の発信者側の背後にある思考を十分に推測して、何故この
タイミングでこの情報はどのような意図で発信されているのか、を問い
続けることが私たちには求められていると思います。
溢れ続ける情報の海の中を、即答が求められる世の中で私たちは立ち止まるべき
情報については十分に考察した後に判断するために、そうでないものを
かぎ分ける能力についても備える必要に迫られているのかもしれません。
背後にある思考
野田 正彰みすず書房
みすず書房
¥ 2,730
通常24時間以内に発送
別著『なぜ怒らないのか』及び『見得切り政治のあとに』に先立つ著者の新聞(信毎)コラム第一集。著者のそして日本人の畢生の課題であると思われる戦争問題や教育問題をはじめとして、おそらくは関係者への無数の聞き取りを経た上での論考が多いだけに、裏づけのある論旨の展開には蒙を啓かれる思いがする。全体の構成としては、これらの問題を扱ったコラムの間に、多くの自然や旅行に触れて筆者自身が都度人間性を回復してゆく姿を描いた数多くのコラムが挟まれているが、これは無数の「生の事実」に触れ、自らもその現実の重さを真摯に受け止めたが故のある種の精神の抑圧(ストレス)に対するバランサーとしての営為なのであろう。特に印象に残った記事は、『原爆の子』の編者である長田新の一面にふれた一篇(70頁)やベトナム戦争時の韓国軍によるベトナム人虐殺(104頁)や「さぼり」の思想(223頁)、ワタリガラスとの邂逅(236頁)を記した各篇など。今後も本シリーズは、長く読者が時代状況に対する自らの批判的精神そして想像力を涵養するための「精神の砥石」となるに違いない。
鳥居龍蔵伝―アジアを走破した人類学者 (岩波現代文庫)
中薗 英助岩波書店
岩波書店
¥ 1,365
通常24時間以内に発送
徳島県出身の人類学者、鳥居龍蔵博士の評伝。
筆者は、戦中の北京在の経験を生かし、鳥居博士の海外調査(特に、
現在の内蒙古、満洲)を通じリベラリスト鳥居を活写する。
ただ、惜しむらくは、鳥居博士の調査が膨大多岐にわたることからであ
ろうが、数次に及ぶ調査のそれぞれの学問的位置づけの分析に弱い。ま
た、考古学者の人名等些細な記述漏れも目に付く。
しかし、筆者の鳥居博士とその家族へのまなざしは、鳥居博士の戦中戦
後の行動の清廉さとあいまって、とても暖かく感じられ、読後感は心地
よく、空前にして絶後の学者を知る好著。
筆者は、戦中の北京在の経験を生かし、鳥居博士の海外調査(特に、
現在の内蒙古、満洲)を通じリベラリスト鳥居を活写する。
ただ、惜しむらくは、鳥居博士の調査が膨大多岐にわたることからであ
ろうが、数次に及ぶ調査のそれぞれの学問的位置づけの分析に弱い。ま
た、考古学者の人名等些細な記述漏れも目に付く。
しかし、筆者の鳥居博士とその家族へのまなざしは、鳥居博士の戦中戦
後の行動の清廉さとあいまって、とても暖かく感じられ、読後感は心地
よく、空前にして絶後の学者を知る好著。
共感する力
野田 正彰みすず書房
みすず書房
¥ 2,730
通常4~6日以内に発送
著者の野田氏が新聞、雑誌などに寄稿した非常に広範な領域
(宗教、政治、歴史〜教育等)のコラムを再編集した書です。
取り扱う範囲は広いですが、野田氏の姿勢は一貫して日本政府の
全体主義的な主張を批判的な目で洞察しつづけています。
なるほどと思う点がある反面、一点の誉めるべき場所がない政府の
国民である私達も同時に批判されており、身を正す思いになります。
批判だけでなく、具体的な方向を示している野田氏は自分自身のことも
常に批判的立場から問い直しつづけているとのことですが、正に
この本からは、その強い意思を感じ取ることができると思います。
(宗教、政治、歴史〜教育等)のコラムを再編集した書です。
取り扱う範囲は広いですが、野田氏の姿勢は一貫して日本政府の
全体主義的な主張を批判的な目で洞察しつづけています。
なるほどと思う点がある反面、一点の誉めるべき場所がない政府の
国民である私達も同時に批判されており、身を正す思いになります。
批判だけでなく、具体的な方向を示している野田氏は自分自身のことも
常に批判的立場から問い直しつづけているとのことですが、正に
この本からは、その強い意思を感じ取ることができると思います。
なんで英語やるの (文春文庫 な 3-1)
中津 燎子文藝春秋
文藝春秋
「なんで英語やるの?」というタイトルの書物は、えてして「英語教育無用論」を展開するかのような期待感を読者に与えるかのようであるが、本書は決してそうではなく、むしろ、英語それも国際英語必要論を説く。
この文庫本は1978年に出ているから、今から30年前のものである。しかし、内容は決して古くなく、今でも読まれてしかるべき内容と薀蓄に富んでいるが、残念な事に、増刷はなく古書店かネット上のオークションでしか手に入らないようだ。
出版当時、本書は大宅壮一ノンフィクション賞を受賞するなど、結構話題になり、中津先生本人も大阪で英語塾を開校するなど、なかなかの著名人であった。
偶然、拙宅の書庫からこの文庫本が出てきたので、ネットでいろいろなことを検索してみると、昨今、中津先生の主宰するネット英語塾のようなものが開設されているようだ。
基本はこの本に書かれているが、今やネット上のお勉強でより効率的に中津英語学習論を実践できる時代になったことを考えると、あえて古書店巡りをする必要もないか。
この文庫本は1978年に出ているから、今から30年前のものである。しかし、内容は決して古くなく、今でも読まれてしかるべき内容と薀蓄に富んでいるが、残念な事に、増刷はなく古書店かネット上のオークションでしか手に入らないようだ。
出版当時、本書は大宅壮一ノンフィクション賞を受賞するなど、結構話題になり、中津先生本人も大阪で英語塾を開校するなど、なかなかの著名人であった。
偶然、拙宅の書庫からこの文庫本が出てきたので、ネットでいろいろなことを検索してみると、昨今、中津先生の主宰するネット英語塾のようなものが開設されているようだ。
基本はこの本に書かれているが、今やネット上のお勉強でより効率的に中津英語学習論を実践できる時代になったことを考えると、あえて古書店巡りをする必要もないか。